生徒さんの声NO.4

協会実施 「きもの・作法 感動物語」 受賞作品より

三陸きもの学院  岩間幸子

三十代に入るまで、私が着物に触れた記憶といえば、七五三の一度きりで、

叔父が反物屋に勤めていたため、母は一人娘の私に着物を仕立ててくれたのでした。

今では写真を見ると、両親に感謝する思いになります。


成人式にも出席せず、友達とレストランで祝ったことは思い出ですが、

今になると振袖を着ておけばよかったと悔やむほど、着物に魅せられるとは

思いもしませんでした。


そんな着物に興味がなかった私が、突然着物の魅力に取りつかれたきっかけは、

一人の女友達の粋な着物姿でした。


ある日の事、彼女とお茶を楽しもうと、高円寺の街角で待ち合わせたのです。

駅からこちらに、光に包まれたように凛とした着物姿の女性が近づいてくると、

なんと友達ではありませんか。

彼女は最近、昔きものに魅せられて着付けを始め、普段もなるべく着ているというのです。

その心粋に私は衝撃を受けました。そうなると思い立ったら吉日、彼女にアドバイスを頂き、どんどん着物が好きになっていきました。


しかし、自分で着たこともなければ、持ってもいない。小物一つも分らなく、ただキレイな

着物屋さんをのぞいたり、柄に興味を持ったりするだけでしたが、

岩手の実家に近い、三陸きもの学院を知り、Uターンをきっかけに門をたたいたのです。


基礎からお稽古を始め、とにかくお教室に通うたび、日本女性の着物文化、着こなしや織り、

生地、柄、合わせ方など、現代のおしゃれに負けない伝統の日本の着物について知れば知るほど、目からうろこの発見が沢山ありました。


今、私は、きっかけとなった友達、そして及川ナツ子先生に大変感謝し、人生の楽しみを見つけられ、そして日本女性の歴史に触れて充実した日々を送っています。

全日本和装コンサルタント協会

和装道・作法道の素晴らしさの一つに自然との同調があります。四季の移ろいを色目や文様に写しとり、脈々と受け継がれてきた歴史の集大成をもまとう。  着物姿の醍醐味に着装、着付け芸術があります。着装によって着物は息吹き、和の精神が宿る。 着る人の立居振舞や言動によって高めることも低めてしまうことさえ同様にあります。一期一会の出会いを大切に活かせられるように常日頃から気を配り、身につけたいものです。